受賞の言葉(2023年度・学科賞)|松永玲奈
松永玲奈(Reina Matsunaga)
この度は、学科賞に選定していただき、誠にありがとうございます。
本制作は、卓上に投影された映像に従って、マナーや意味を学びながらご祝儀を完成させるシステムです。
今回、研究・制作案を出す時からこのようなプロジェクターを使用して、空間を作りたいと考えていました。今までは、画面上完結の制作を主に行なってきました。今回の作品では、画面上で作ったものを現実世界の物に投影するという、新たなことへの挑戦に、技術面における不安が大きかったです。普段の制作よりも、実際の物のサイズや機材の性能など、考慮するべき点も沢山ありましたが、担当教員の小林先生や研究室メンバーへの相談や協力のおかげで、多くの試行錯誤を行いながらも完成させることが出来ました。そして、実験にて体験してくださった皆さんが楽しそうにしている姿に喜びを感じつつ、課題も沢山見つかりました。その課題点を改良し、完成度を高めていきました。その結果、学科賞という形で評価して頂き、大変嬉しく思います。
最後に、指導教員の小林先生、最後まで共に走り抜いてくれた研究室のメンバー、評価実験に協力してくださった方々、そして私の作品を楽しんで体験してくださった全ての皆さんに感謝致します。
小林桂
研究テーマを決める際に研究室内の学生の中で一番悩んでいたと思います。題材を調べては、従来研究で既に取り組まれている、またはその課題は本当に解決する必要があるのか、と考えたときに重要性が見出せないことを繰り返しました。この工程は研究において非常に重要で普段の短期間で行う実習では体験できない苦しみと楽しさがあったと思います。その中で残ったご祝儀という題材に対して真摯に取り組みました。また卓上投影システムの効果を確認するためにWebサイトを想定したディスプレイ表示で教示する手法と比較し、卓上投影システムの優れている点まで明らかにしたところが良かったです。研究の考え方、見せ方は、デザインに共通するところがあると思うので、一年間自分の研究室に在籍していた経験を今後の活動に生かしてもらえればと思います。