受賞の言葉(2019年度・学科賞)|薗部健

薗部健(Sonobe Ken)

この度は「imd学科賞」に選出していただきありがとうございました。
本研究・制作は、仮想オブジェクトと物理オブジェクトを衝突させるという、超常的な体験の実装をテーマにスタートしました。チャレンジングなテーマかつ技術的裏付けがはっきりと見えていない状態だったため、研究開始当初は迷走しました。しかし、とりあえず手を動かしつくりながら理解・思考するという構成的なスタンスで進めていくことで、自然と考えが繋がり、はっきりとした道筋が生まれました。早い段階で体験の基盤となる部分を完成させることができたため、多くの展示発表の機会を得ることができました。そのため、それぞれの発表の場での気付きや体験者の意見と向き合いながらアップデートを重ね、作品の完成度を高めていくことができたと思います。途中困難もありましたが、文献を参照しながら表現と技術との繋がり(コンセプト)についての理解を深め、本体験のオリジナリティについて深く考えるようになり、全体を通して研究・制作の楽しさを知ることができました。
今回このような賞をいただけたのは、方向性やアイデア、実装技術、国際会議などでの展示の機会づくりをサポートしてくださった指導教員の中川先生、撮影や展示で協力してくださった研究室メンバーや周りの方々のおかげです。この場をお借りして御礼申し上げます。
今後は修士課程に進学することが決まっており、既にこの研究・制作の次の段階に踏み込んでいます。今回の受賞を励みに、今後も研究・制作に邁進していきたいと思っています。


薗部健|XR(cross reality)体験に着目したオーディオビジュアル表現の可能性 / Encounters
imd学科賞 2019年度

中川隆

薗部君は、「空間に音を描く」をコンセプトにした“Drawing Sound in MR Space (DSMR)” プロジェクトの一環として卒業研究・卒業制作に取り組みました。特筆すべきことは、薗部君がそれまでのプロジェクト・リソースを早い段階で理解・吸収し、柔軟に実装実験ができる環境を築いた点です。結果、持ち前の柔軟性と実装力によって、これまでDSMRプロジェクトで実現してなかったXR体験を生み出すことになりました。
imdでの卒研・卒制の審査は何段階かありますが、薗部君は全ての評価で最高点を獲得し、全体を通しての取り組みも評価され最終的にもトップで学科賞受賞となりました。
この一年、数々の展示をこなし途中お互い疲労することもありましたが、とても密度の高い研究・制作を一緒に進めることができて楽しかったです。お疲れ様でした。


薗部健|XR(cross reality)体験に着目したオーディオビジュアル表現の可能性 / Encounters
imd学科賞 2019年度


>> 概要 [PDF]

>> 関連発表 [WEB]|SIGGRRAPH Asia 2019, 2019.11.17-20

Nakagawa, R., & Sonobe, K. (2019). Encounters: A multiparticipant audiovisual art experience with XR. In SIGGRAPH Asia 2019 XR, SA 2019

>> 関連展示 [WEB]|VRクリエイティブアワード・フィナリスト展示, 2019.8.25

>> 関連映像 [VIMEO]|”Encounters”


薗部健|XR(cross reality)体験に着目したオーディオビジュアル表現の可能性 / Encounters
imd学科賞 2019年度