受賞の言葉(2022年度・学科賞)|濵田健吾
濵田健吾(Hamada Kengo)
この度は学科賞に選定していただき誠にありがとうございます。
本作品の制作を通して、自身の2体のアバター間の往復という新しい体験ができるVR作品を制作するという好奇心と、技術的な問題を解決する達成感を得ることができました。
相談や技術面の問題解決で協力していただいた研究室の院生の先輩や、アンケートなどで協力していただいた研究室の後輩や会場での体験者のみなさん、研究の方針および制作中の改善箇所について度々相談に応じてくださった小鷹先生のおかげで、賞を頂けたと思っています。
本研究・制作は、VR上で巨人アバターが小人アバターを踏むという方針は早い段階から決まっていましたが、アバターの詳細について迷走し試行錯誤していました。小鷹先生と相談する中で、具体的なアバターについての方針を決め、VR上での動作について作り込み、11月の研究室展で本作品を展示することができました。展示で体験者のみなさまが楽しむ姿を見ることができましたが、同時に問題点も見つかり、問題個所の改良を行いブリーフィングに臨みました。自身でも納得できる作品の制作を突き詰めることができたと考えているので、作品を楽しんでいただけたと思うと嬉しく思います。
小鷹研理
濵田くん
大学生活を締めくくる卒業制作で、
かなり渋い作品に取り組んでもらうこととなり、
わかりやすい評価は得られないだろうな〜と、
指導教員ながら半ば申し訳ない気持ちになっていたところで、まさかの学科賞。
濱田くんのがんばりをずっと見てきたので、
最終的にこれ以上ないかたちで報われて本当によかった。
少し懺悔すると、11月の研究室展示(注文の多いからだの錯覚の研究室展2)の時点では、
他に対応すべき作品が膨大であったという事情もあり、
僕自身、濱田作品と真摯に向き合う時間をそれほど十分に持てなかった。
(軽視していたと言われても言い訳できない、、)
それでも、展示期間中、濱田くんの展示の現場を覗いてみると、
意外にも、体験にハマっているお客さんがたくさんいて(こんな渋い体験に!!)、
《GIANT KILLING》には、何らか無下にできない普遍的な体験が含まれているのかもしれない、、
と僕自身の浅はかな見立てを反省したのだった。
そういえば、濱田くん自身が、自分の作り出した作品体験に、
ある時期からどっぷりハマっていることがありありと伝わってきた。
この作品の価値を一番わかっていたのは、濱田くん自身なのだろう。
今になって確信しつつあるのは、濱田くんが見出すこととなった地平(足自己)は、
小鷹研究室による長年にわたる錯覚の探求の中でも、
これまで見過ごされていた盲点をつくものであり、
自己感研究における新しいドアをこじ開けるものでもあった、ということだ。
《GIANT KILLING》で呈示した世界観は、
今後、まるで予想もつかない形で化ける可能性を秘めている。
(実は、これを書いている時点で、いくつかの明確なアイデアもある)
そのような重要な仕事を、濱田くんと一緒にできたことを本当に嬉しく思ってます。
おめでとう!