中川研究室

XRによる芸術体験の実装

中川隆(准教授)

中川研究室では、主にバーチャルリアリティ (virtual reality; VR) や複合現実 (mixed reality; MR) といった我々のリアリティを変容させる一連の技術(extended reality; XR)と芸術的行為との接点に着目しながら、芸術体験の多様な可能性を構成的に探っています。

例えば、MRは現実空間にバーチャルなオブジェクトを重ねて実際にそこに存在しているかのように表現することができます。このMRを用いることで、これまで多くのアーティストや作曲家が試みてきた「音を描く」という表現を現実空間に展開させることが可能になります。そして最近のMRデバイスを用いた「音を《空間》に描く」体験は、身体能力が拡張するような感覚を有したこれまでにないオーディオビジュアル表現・体験を可能にします。中川研究室では、研究室のプロジェクトの一つとしてMRで空間に音を描く手法について「音を描く」という行為の解釈や方法論について実装しながら展開しています。

こういったXR技術による身体能力の拡張は現在のXRブーム以前から「超能力の工学的実装」と表現され、現在は工学分野だけでなく様々な分野で「超能力の実装」が展開されています。当研究室では、工学的手法および芸術がこれまで扱ってきたことについて参照しながら新たな芸術体験を探求します。この取り組みを通して、社会の様々な場面での活用に向かっているXRと我々人間との関係性についての批評・思索の場を提示します。

中川隆(准教授)

芸術に関する素養や関心、コンピュータやその周辺メディアを用いた表現を実装するための基本的スキル、および、それらを柔軟に関連付けながら、構成的に新しい芸術体験を探求していくだけの持久力がある人を歓迎します。

特にXR関連技術に関心があり、それらを用いて「〜の実装をしてみたい」「〜体験を構成したい」「これまで〜が好きでやってきたけど、それをXRで展開させたら〜」といったような具体的なアイデアやモチーフ、イメージがあると良いと思います。それらを研究室で一緒に展開させましょう。また、これまで当研究室が扱ってきた研究を発展させたい人も、もちろん歓迎します。